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ξ ゚⊿゚)ξブルーブルーブルーのようです

ツンの誕生日に投下したやつ。なんか幻想チックなのが書きたかったような気がする。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ぱしゃりという音と共に私はビー玉が無数に浮かぶ海へと潜った。

赤、青、黄色、緑に、オレンジ。

いくつものビー玉が光に反射してキラキラと煌めき、鮮やかな世界を私に見せた。

そこで私に声がかかる。どこから?

周りをぐるっと見渡してみる。

ああ、あの子だ。


(*゚ー゚) 「ねえツン、貴方はどこまで行きたい?」


そこで初めて出会った少女が私にそう、訪ねた。どこか、懐かしい感じがする少女だった。
どこかで会っただろうか?
少女の肌は白く、ふとしたはずみに海の青と溶けあい消えてしまいそうなくらい透き通っていた。


先ほどの問いに私はなぜだか少し笑い、こう言った。


ξ ゚⊿゚)ξ「ずっとずっと前」


私はより深く青く、暗い、海もずっとずっと底へと沈んでいった。















ξ ゚⊿゚)ξブルーブルーブルーのようです






私の母は私が生まれてほどなくしてこの世を去った。
元々病弱な人だったと父には聞いた。

でも、私は母の事を知らない。

物心ついた時にはもう母はいなかった。
だけど、墓参りに行き、普段はニコニコとしている父が不意に見せる寂しそうな顔や、
アルバムのあちらこちらに姿を見せる母の笑顔が、

私に母という存在を深く覚えさせた。

そしていつからか、

私は母がどんな人だったか知りたいと思っていた。




深く沈んでいった先は教室だった。
子供たちの声でガヤガヤと賑やかだ。


*(‘‘)*「ねえツンちゃん、どうしてお母さんがいないの?」

ξ ゚⊿゚)ξ「知らないよ……」


私は困った顔をして、同級生の質問に答えていた。
気付くと私は小学生だった。
当時の記憶が濁流のように私に流れ込み、溺れてしまいそうになる。
さっきまで海の深くへと平気で沈んでいった癖に。
そうだ、確かこの日は家族についての作文を発表していたんだ。

私はこと時まで母がいないという事に一片の疑問も持たずに生きてきていた。
しかし周りはそうはいかない、疑問に思ったことは子供特有の思慮の無さで聞いてくる。

そんな事を想定したことの無かった私はただただうろたえるだけだったのだ。



*(‘‘)*「どうして?」

ξ ゚⊿゚)ξ「知らないの……」

*(‘‘)*「だってつーちゃんもちんぽっぽちゃんもビロード君だってみんなみんないるんだよ?」


胸が苦しくなる。
鉛を喉に詰められたかのように私は何も言えなくなってしまう。


口を閉じて、頭を抱えて首を振る。

いやだ、答えたくない、知りたくない、わかりたくない。

私の中で色々の感情が揺れ動き、ぶつかりあい、逃げ場を探す。

やがて目からその感情達が逃げだそうとしたその時だった。




「やめるお!」




いつか聞いた懐かしい声が聞こえ、私は再び海中の中へと戻っていた。




(*゚ー゚)「どうだった?」


少女がいる。
私と同じ、緩やかな速度で海の底へと沈んでいく。


ξ ゚⊿゚)ξ「あんまり気分のいいものじゃなかったわ」

(*゚ー゚)「やめておく?」


一瞬「やめようか」などと思ったがすぐにその考えを消し去ってこう、答えた。







「続けて」





ごぽり、とさらに沈んでいくような音がした。



パラパラと、絵本をめくっていくように私の世界は移り変わっていった。

作文の事が起きる前の学校の風景、運動会、学芸会、
初めて受けた授業、入学式、通っていた幼稚園の卒園式、
初めて彼と出会った時。

不思議な感覚だった。
まどろみの中にいるような浮遊感と、冷水を浴びせられたかのようなはっきりとした感覚が、
私のなかで一緒になっている。

やがて私は誰かの腕の中にいた。
体の自由が利かず、ただただ目だけを動かしている。

腕の主は私のよく知った人だった。
今よりも、若く見えるがきっと間違いないだろう。


(お父さん)


声を出そうとしたがそう、言葉にはならなかった。


「ふやああ、ああうやあ」


ただ、そんな声だけが出るだけだ。
ああ、私は今赤ん坊なのだ。


(,,゚Д゚)「おおよしよし、よしよし、泣かないでおくれよ」


父は笑顔だった。
だけど、どこか悲しそうで、どこか、寂しそうだった。





何かが割られるような音がして視界が変わる。

私はどこかに寝転がっているようだった。
ここはベビー用のベッドだろうか。

視界の端でうずくまる父がいた。


(,,;Д;)「どうしてっ……どうして……」


泣いていた。
私が今まで見たことの無かった父の姿だった。
首を懸命に回して周りを見渡すと遺影があった。母のだ。

そうか、お母さんが、死んだんだ。
これはきっと母が亡くなった直後なのだろう。

私の前で気丈にふるまっていた父の、今まで見たことの無い一面だった。



(ねえ、お父さん)


そこで思う、私のせいで母は死んだんじゃないのかと。
元々病弱だったのだ。

でも、私を生まなければもっと、もっと長く生きられたかもしれない。
こんな風に悲しみ、父が長く寂しさを抱える事などなかったかもしれない。


(私の事、恨んでもいいよ)


そう思った時、再び世界が移り変わった。この時よりも未来へと。

さっきまでの絵本をめくるような速さよりは早く、だけれど走るような速さよりはずっと遅く、
ただただ私に見せるように、

くるくると、

場面は、

巡って、

父と、私が、

いくつもの場面にいて、

そこでの父は、確かに、







(,,^Д^)




笑っていたの。









(,,;Д;)「よかった……よかったなあ」


最後はまた、泣き顔の父だ。
普段の振る舞いなんかからは想像も出来ないくらい顔をぐしゃぐしゃにしてむせび泣いている。

私はその時大人だった。
となりでは優しい笑顔の彼がいる。


「幸せになるんだぞ!!」


父のそう叫んだ声が聞こえた。

海の底が近付いているのだろうか、色とりどりのビー玉も、海上からの光も、
何も見えなくなっていた。

ただ、くっきりと目の前の少女だけが見える。


ξ ゚⊿゚)ξ「そろそろ終わり?」


そう聞いてみる。
彼女は誰なのだろう。

どこかであった気がするのに。
さっき会ったばかりなのに。

さっきって、いつだっけ。


(*゚ー゚) 「うん、そろそろ」


そう言って、彼女も消えた。
海の暗闇へと、溶けて行ってしまった。

やがて沈んでいくのも終わり、私は深海でただよっていた。
誰もいない。何も聞こえない。

ただただ、暗い。

心細い。
ここは、とても、寒い。


ξ ゚⊿゚)ξ「誰かー誰かいませんかー」


そう、叫んでみても、誰にも届いていないみたいだった。

震え、怯え、小さく縮こまって。
なんだかとても誰かと会いたくなった。

その時だった。

未だにあたりは暗い。何も見えない。
だけど、どこか、


(温かい)


それはなぜか懐かしい気持ちだった。
やがて私の前方にまぶしい光を感じる。

何かに追われているかのように私はその光へと進みだす。





「そうだよ」「それでいいの」「もうすこしだから」

「怯えないで」「楽しいことばかりじゃないけど」「きっとここは」


「温かいから」


少女の声が聞こえる。
声の方へ、光を感じる方へ進んでいく、

そうして、



私は産声を上げた。



(*^ー^) 「こんにちは」





さっきまで少女だと思っていた人が目の前にいた、
ああ、あなたは、


ξ ;⊿;)ξ(おかあさん)


私は泣いていた。
不思議な安堵の気持ちと、あまりの眩しさと、おぼろげな記憶の中にしかいなかったはずの母と出会えた嬉しさで、

力の限り泣いていた。


「お誕生日おめでとうツンちゃん」


その言葉と共に私はその世界から引き離された。










从*゚∀从 「おめでとうございます! 元気なお子さんですよ」


看護婦さんのハキハキとした声が私を現実へと引き戻した。「はあー」という溜息が聞こえる。
周りを見ると夫と父と、私の子供がそこにはいた。


( ^ω^)「心配したおー」


ほっとした顔で夫が言う。


( ^ω^)「出産直後に気絶したと聞いてびっくりしちゃったお」

(,,゚Д゚)「あんまブーン君を心配させるんじゃないぞ」


たしなめるように父がいう、だけどそんな父も心配だったのだろう。
私が目覚めたときに「はあー」っと父の大きな溜息がきこえたのだから。


ξ*゚ー゚)ξ「ごめんなさい」


私はにっこりと笑って彼らにそう答えた。


病室の窓から外を見ると晴れ晴れとした青空が見えた。

あれはなんだったのだろう。

もしかするとただの私の夢だったのかもしれない。

だけど私はこう思いたいのだ。

母が私が『母』になる前に、様子見がてら挨拶しに来たのだと。

そう、そう思いたい。

私の新しい家族を抱いてささやくように言う。







「「お誕生日おめでとう」」





声が重なって聞こえた気がした。
それはさっき聞いた母の声に似ていた。

今日は10月12日、

私の誕生日であり、

この子の誕生日だ。









ξ ゚⊿゚)ξブルーブルーブルーのようです 終
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