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お題:ストーブ・厚着・夏の砂浜

お題もらってポメラで書いてみたやつなんでAAが無い。
短いしなんかアレなんで未投下。



 部屋にはストーブが置かれている。
季節は夏だというのにガンガンに部屋はを暖めている。 部屋には二人の男がいた。
「暑い……」
 やせ型の男が言うと中肉中背の男が口を開く。
「言い出しっぺは君だぞ」
「わかってるよ、でもまさかこれほどとは」
 男は二人とも冬ではないかと思うほどの厚着をしていた。 
 我慢比べである。 この炎天下をもいえる気温の日に二人は部屋に籠もり我慢比べをやっているのだ。
 なぜそんなことをする事になったのか。 事は数日前にさかのぼる。



 放課後の教室で男子生徒が二人、語り合っていた。
 明日からは待ちに待った夏休みである。 いかに有意義に休みを過ごすかを語り合っていたのだ。
「夏らしく我慢比べしようぜ」
 やせ型の男、毒男が言った。 彼は自分に体力が無いのを知っていながら時折こんな無茶な事を言い出す。
 一週間ほど前には「青春らしく夏の砂浜を走ろう!」なんて事を言っていた。 
もっとも家を出て、海へ行くための道を走る途中で力つきていたのだが……
「……いやだ」
 中肉中背のショボンは言った。 彼には友人のよしみで渋々つきあうことが多いのだが
いかんせん面倒なことが多いのだ。
ちなみに海へと走り、ばてた毒男を木陰に運んだのはショボンだった。
「……」
「……」
 互いに黙り込む。 じわじわと蝉の声が教室に響いた。



 ショボンは思う。 
「なんで僕はこうも暑い日に、ストーブをガンガンに効かせた部屋に厚着で籠もっているのだろう?」
 理由は簡単である。
「ぐへえ……ま、まだまだ……」
 目の前の男、毒男がつきあわないのなら自分一人でやると言い出したからだ。
 これはある種の脅迫である。
間違いなく毒男一人で我慢比べなどをやった日には熱中症になり倒れる。 
発見が遅れる。 流れる時間。 落ちていく汗。 削れていく命。 数時間後! そこにはミイラになった毒男の姿が!
 いくら馬鹿な友人とはいえ見殺しにするほどショボンは非情でも無い。
「はあ……」
 憂鬱そうにショボンは一つため息をついた。



 十数分後、案の定毒男はショボンによって部屋から救出された。
 どうやら熱中症手前だったらしい。
 バケツに汲んだ水を毒男に掛けてやると「ぐはあ」なんて声を出した。
「まさか倒れるとは……」
「君が身の程を知らないだけだよ……」
 あきれながらショボンは言った。
なんとなく空を見る。 雲一つ無い晴天だった。 ショボンはぼんやりと考えた。 
(後、何回こんな夏休みを過ごせるんだろうか)
 やがて自分達も大人になる。 
もしかしたら来年にはこうして毒男と馬鹿をやれないかもしれない。
 そんな事を考えると少しこんな馬鹿をするのもアリなように思えた。
「なんだよ?」
「いいや、別に」
 ぜえぜえと息が荒い毒男を見て少しだけ笑った。
 まだ夏は始まったばかりだ。<終>


なんだこれ
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