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( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「雨の日に、また」のようです

絵を二枚も頂いて大興奮した記憶がある。






 彼女は雨になったのだ。




 僕の彼女は梅雨のある雨の日に死んだ。
 事故死だった。雨によりスリップした車に轢かれてアッという間にこの世を去ったのだ。
別れの挨拶も言えやしなかった。
 
 僕はそれからただただ空虚の毎日を送っていた。
どうしようもない悲しみが僕の胃の中に異物として残るような、そんな気持ちの毎日だった。 

 そして今日。 

 彼女が「久しぶりね」なんていいながら僕の家をいきなりたずねてきた。

 今日の天気は雨だ。



( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「雨の日に、また」のようです








 彼女が亡くなって以来僕は雨の日がたまらなく嫌いだった。
雨が降ると彼女のことを思い出しては憂鬱な気持ちがどろり、と僕に絡み付いて離れなくなるのだ。

( ^ω^)「憂鬱だお」

 今朝、目を覚ました時に最初に思ったことはそれだ。
 適当に身支度を済まして朝食を取る。

 これといって今日は何も用事は無い。
 家でとりためたビデオでも見てすごそうか、そんなことを思っていた。

 そんな時だ。

 こんこん、と玄関からノックの音が聞こえた。

( ^ω^)「はいはいお」

 いったい誰だろう。玄関へ足を運び扉を開いた。

ξ゚⊿゚)ξ「久しぶりね」

( ^ω^)

( ^ω^)

 時間が止まった。

 彼女は僕と死に別れた時と寸分変わらない姿だった。

 


ξ゚⊿゚)ξ「私は雨になったの」

 玄関で僕がそれこそマシンガンのように質問を浴びせていると表情を変えずにそう彼女は言った。

( ^ω^)「雨、かお?」

ξ゚⊿゚)ξ「そう、雨
      生まれ変わったら雨になっていたのよ私」

 そうかそうか、雨になったのか。
 若干、いや非常識極まりないが僕はその言葉を何故か信じた。すこし気が動転していたのかもしれない。

 それと同時に、生まれ変わった、その言葉を聞いたとき「ああ、彼女は何がどうあっても死んでいるんだな」
なんて考えが僕の脳裏を掠め、少し悲しくなった。

 彼女を部屋に招き入れて座らせる。
歩いた後が濡れたりするんじゃないかと少し不安に思い彼女の来た通路を見たが乾いたフローリングの床のままだった。

 そして彼女は語り始めた。
 
ξ゚⊿゚)ξ「気づいたときには雨だった
      色々な場所に降っていたのよ
      雨に濡れた猫が寒そうだったときは心苦しかった
      ちょっと前には遭難している船に乗っている人たちへ降ったわ
      みんな大喜びで水が手に入ったのを喜んだ
      前回はあいあい傘で帰宅する学生を見たわ
      その時あなたはどうしてるんだろう、なん思い出したのよ」




ξ゚⊿゚)ξ「それまでは忘れていたのに急にそのことで頭がいっぱいになったわ
     無理はしてないかしら?
     ちゃんとご飯をたべてるかしら?
     毎日楽しんでる?さびしい思いをしていない?
     私がいなくても、大丈夫?」

 そこまで一気に話すと彼女は深いため息をついた。
すこし憂いを帯びたような表情だった。生前にはあまり見たことがなかった顔だ。
 どうやら雨になってまで僕を心配してやった来てくれたらしい。愛されてるねえ、僕。

( ^ω^)「うれしいお
      ツン、わざわざありがとうだお
      僕は、大丈夫だお」

 うそをついた。大丈夫なんかじゃない。しかしツンを心配させたくはない。

( ^ω^)「ツンだいすきだお」

 言うまでもないがこれは本当だ。

ξ゚⊿゚)ξ「そう、まぁ私が気になっただけだから」

 髪を人差し指でいじりながらツンはそっけなくそう言った。
僕は思わずニヤリとした。彼女はうれしい時に髪をいじる。
 変わってないなあ、と思った。

ξ゚⊿゚)ξ「なにニヤニヤしてるのよ、気持ち悪い」

( ^ω^)「そういうところも変わってないおね……」





ξ゚⊿゚)ξ「じゃあそろそろ帰るわね」

 結構長い時間話していた。
 そんなことをいって彼女は席を立った。
名残惜しい、せめて何日か一緒に過ごせたらいいのに、なんて思ったが雨も忙しいのだろうか。
「もういかないと」なんて言われてしまった。

( ^ω^)「せめてそこまで送っていくお」

ξ゚⊿゚)ξ「……うん」

 雨との別れにわざわざ外を歩く必要があるかは知らないがツンは了承してくれた。

 あいあい傘でふたりで外を歩く。
透き通っていそうなツンの横顔を僕は見ていた。

 ふいにツンが言った。

ξ゚⊿゚)ξ「あのね、」

( ^ω^)「うん」

ξ゚⊿゚)ξ「多分、もう会えない」

( ^ω^)「……うん」

 その言葉に不思議と動揺はしなかった。
こんな奇跡みたいなことがそう簡単に起こるわけない、そうどこかで思っていたからかもしれない。





「……ねえ」

「なんだお?」

「本当に大丈夫?」

「……あんまり大丈夫じゃななさそうだお
 さみしいお、ずっとふたりでいたいお」

「ごめんね……」

「…………」

「でもね、きっと、きっと雨の日には一緒にいるから」

「…………」

「だから、さよなら」

「ツン……」

「じゃあね」

「バイバイだお、雨の日に、また」

「……またね!」








( ^ω^)「……」

 気づいた時にはもうツンはいなかった。

( ^ω^)「晴れてるお」

 空を見ると曇り空ひとつ無い晴天だった。

 雨水で湿った草木は太陽の光を反射させキラキラと輝いている。

( ^ω^)「雨の日に、また」

 そう一人つぶやき自宅へと向かって歩く。

 先ほどまで差していた傘がやけに大きく感じる。

 濡れていないはずの右頬は、

 何故か湿っていた。

 雨の日をすこし好きになれそうな気がした



( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「雨の日に、また」のようです



終わり



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